星明りの夜

信じられない言葉を、聞いた。夢じゃ…ない、よな?
私の前に、スタンが膝を付いて見上げる。
「だから、いいよ?スタン。どうしたい?」
ライの瞳は真っ直ぐ私を見ていて、真剣だ。冗談で、こんなことを言う性格ではない。
本当に、私の気持ちをわかっているの?ライ。
だって。私は本当にずっと、そうしたかった。
夢に見て、自己嫌悪に陥るくらいに。
現実の君を見て、それまで以上にまた、苦しくなるくらい好きになって。
「本当に…?」
手を伸ばして、ライに触れる。
夢じゃなくてちゃんとそこにいる。
「いいよ。スタンのしたいようにして。俺が…そうして欲しいんだから」
私が、君を抱きたいんだって…わかってて言ってる?ライ
私も君も男で。本当は抱きしめる側なのに。
「スタンは俺を、その…抱きたい、んだろう?」
「え…と、その…。ご、ごめん…私は…」
そんな欲望を、ずっと…持ってて。友達だと思い直しても、消えなくて、大きくなって。
我慢できないくらい、今も。このまま抱きしめてキスして、体中にキスしたくて。
「だから。いいんだよ?」
我慢できないくらい。めちゃくちゃに、抱いてしまいそうなのに。
今、隠していないから。きっと、全部顔に出てると思う。察しのいいライなら、解るはずなのに。
「ライ…。本当に、いいの…?途中で駄目って言われてもきっと、止められない」
だから、今ならまだ抑えられるから。
「俺が、スタンを好きなんだから…いいんだよ」
そんなことを言われたら…本当に、止まらない。
私は、頬に触れていた手でライの頭を抱き寄せて唇を塞いだ。
「ん…っ」
何度も口付けて、唇を味わって。
「んんっ…」
息をついた隙に、舌を咥内に滑り込ませる。
舌を絡ませる。
濡れた音がする。
唾液が絡み合って、下にいるライがごくりと飲み込む。
「ん…ふっ…」
ライがうっすらと瞳を開いて、私の視線と合う。
綺麗な透明。そして、今は…ぞくりとするくらい、艶っぽい。
そう考えたのが、伝わったようにライの鼓動が早くなって、頬に朱に染まって瞳が閉じられる。
(かわいい…)
私は、殊更に音をさせてライの咥内を味わう。
ライの身体から力が抜けていく。
「スタ…」
身体を抱き寄せて支えて、私を呼ぶ声ごと唇を更に塞ぐ。
何も考えないで。このまま、溺れて?ライ。

ライの身体中に、キスをして、痕を残して。
辛そうに閉じられた瞳が、潤んで見上げるようになって。
苦しげな声が、甘い嬌声に変わって。
何度も、突き上げて、イかせて、放って。
ライの声が嗄れて、だけど甘い息をしていて。
意識を飛ばせて。
中も外も、どろどろで。でも溶けていて。
「ゃ…も…だ、め…んぅ」
それでも、欲しくて仕方がなくて、また入れて。
「んっ…でも、ライ…腰、動い…てるよ?」
「っ…!ち、違…」
数えるのを放棄するくらいに、責めたから
無意識に動くくらい、身体の方が覚えて。
「嬉しいな。それだけ、感じてる…ってことだよね?ライ」
「…し、知らないっ」
そっぽを向いて、答える姿が
(可愛い…)
「あ…っ!」
入れていた、それが正直に反応する。
「ごめん、ライ。我慢、できない」
「…い、けど…。スタン、体力あり…すぎ…っん」
ゆっくりと腰をグラインドさせて、ライの感じるところを揺さぶる。
「はっ…ぅん」
「私も、こんなにライに対して、押さえ利かないって…思わなかった、よ」
本当に。今だって。
今までこんな風に感じたことなんかなかったのに。
「陽…高いのに、もう」
「ライが可愛いから…」
グラインドを強くして、啼かせる。
「んんっ。や…っ」
駄目だ。ホントに。絶対、そのうち焦らして泣かせそうな予感がする。
そんな気持ちは抑えて、ライを責めて、揺らして。
一緒にイって、ライが意識を放した。
息を整えながら、ぐったりとしたライの髪を撫でる。
流石に眠気が襲ってきた。
ライを抱きしめて、ベットの下に蹴落とされた上掛けを拾ってかける。
「ごめんね。シャワー、起きたら浴びよう…ライ」
目元にキスを落として、私も目を閉じる。
目が覚めたときに、君が私の中にいますように。これが、夢じゃないように…。
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