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そして、朝が来る

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『第37期生徒会』この代の生徒会役員・執行部各位は、学園史上一 美形揃いと言われている。
総代を筆頭に生徒会役員・各寮長・各部部長(一部)と並べると壮観な眺めだそうだ。
『ってことは俺も割と見目がいい方って訳だ?』とは白取由也の科白である。
弓道部と茶道部(何で?)に所属する白取由也は、気は短いが気の良い性格。
少し天パ気味の髪をした明るい奴である。

彼が麗しの(笑)総代様と既知となるのは、7月。
弓道部の大会を見にいらした当時副会長の方の前で、1年の癖に堂々3位になった彼は、 当時白虎寮長でもあった先輩に紹介していただいたのである。
綺麗な先輩とお知り合いになれた白取由也は、うっかりと嬉しさの境地にいた。
後悔してしまうのは、もう少し先である。



「凄いバンソーコだな」
昼休み恒例。生徒会室でのミーティングだ。
「大丈夫か?由也、智隼?」
泪先輩が心配そうに聞いてくれる。
「平気です」
「僕も・・」
逆上して、新聞部に駆け込んだ俺と、責任を取って止めにきた西藤は、 新聞部の部室で大騒ぎした・・怪我である。

「新聞部には、注意をしておいたけど。由也のしたことは感心しないよ」
「・・すみません」
その通りです、泪先輩。でも、その後が良くなかったっりして
「そんなことになってるとは、知らなかったな」
にっこりと笑って泪先輩が言う。
う・・嬉しそうにしないでくれよ。困ってんだから(^^;)
他の人達が呆れてみてますってば、先輩・・

「感情は自由だがな、泪。生徒総代の立場も忘れるなよ?」
副会長の緑川先輩は『シンパ』じゃなく、しっかり総代に物が言える数少ない人だ。
「そうだな」
泪先輩も緑川先輩には、本当に素直だ。
「由也のことは公的なことに持ち込む気はないよ。勿体無いじゃないか。他人にわざわざ 見せるなんて」
「・・・泪―――(^^;)」
緑川先輩も困ってるじゃないかーっ(^^;)
「そうですね♪白鳳との交流会に出しませんでしたね!」
追い討ちをかけるなよっ西藤!
「そう、勿体無いからね。白鳳は美人が多いから(^^)」
に・・・にこにこ笑って会話するな―――っ! 第一、自分のこと分かってないじゃないですか!泪先輩!!

「泪先輩、ここ以外ではなるべくその類の言動は避けて下さい」
「安東?どうしてだい?」
うわっ、泪先輩に意見・・やっぱ怖いもの知らずだ、安東。
浅野先輩睨んでるぜ!?
「白取の方が危ないですから」
「え?」
つい聞き返す。何で、俺?
「そっか、親衛隊!」
「親衛隊?何だい?それは。智隼?」
「え?泪先輩、知らないんですか?」
「さ、西藤っ(^^;)」
あ、浅野先輩が焦ってる。
「俗に言えば、F.Cですね」
と浅野先輩には目もくれず、安東。
「泪先輩は人気がありますからね。1つや2つじゃないと思います。中には過激な人も いるかなぁ・・?」
西藤がちらっと俺を見る。何?なんだって?
「由也に危害を与えるかも知れないと?」
はっ?何?泪先輩。危害?
「有り得なくないですね」
うっ、何だよ皆でこっち見て。
「気をつけよう。ありがとう安東」
にっこりと泪先輩が安東に笑いかける。
「白取は友人ですから」
安東の方は相変わらずのクールぶり。
何て素っ気無い奴!浅野先輩あたりなら涙流して喜んでるぜ、その科白。



「さすが安東、全然動じてないよなぁ (=^^=)」
い・・・一原?お前そんなポーっとした顔して・・・
「うーん、やっぱり頼れるよなあ(^^)」
竜崎・・・お前もすっかり出来上がったよーな視線で・・・・(^^;)
「あ、緑川先輩が耳打ちしてる(−−#)」
「笑ったぞ、安東」
お前等、ホント危ない・・・・(溜め息)
「何言ってるの。緑川先輩は白鳳に彼女、いるだろ?」
「西藤・・(^^;)」
「それは分かってるよ、智隼」
「でも、安東の方が美人だと思うぞ」
「・・・ま、いいけどさあ。何言っても決めんのは安東だし(^^;)」
西藤が呆れてるなあ。ま、仕方ない・・かな?
「いつも、あんななのか?」
こそっと西藤に聞く。
「一原と竜崎でしょ?中等部の時から変わらないね」
「安東は?」
「・・って?安東が、なに?」
「いや・・・・」
どう言えって?・・・うーん、どっちが好きなのかな――とか・・・?(^^;)
「安東の方は至ってクールだけどね?どうなんだろう。僕はあんまり興味ないし」
よ、良かった。お前は普通で。
「智隼」
安東が智隼を呼んで、手招きしてる。
「何?安東」
「総代が呼んでる」
「なんだろ?」

西藤と入れ替わりで安東が隣に座る。
「親衛隊の方は、大人しくしてるだろうから安心しろよ」
「え?」
何で知ってたんだ?お前。
確かに足引っかけられたり、うどん頭からかけられたりしたけど・・・。
「安東、何で・・・?」
知ってるのか、って言外に聞いたら、事も無げに。
「判るだろう?それくらい」
平然と言うけど、俺誰にも言ってないし、お前等の誰もいないところでばっか やられてることだよ?何で?判るもんかな・・?
「予鈴、鳴ったな。戻るか」
「・・・・」
不思議そうに見る俺のことはおかまいなし。 お前ってほんと、不思議な奴―――



取りあえず、その日を境に本当にぴったりと嫌がらせは止まった。
つくづく、安東の影響力って・・・凄いと思う。
あいつ、実は影の支配者・・・・?


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